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□その手を繋いで
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*会話文のみ




「ふくたぁ」

「なんやぁ?」

「頭、痛いねん」

「頭?」

「んー。何かなぁ昨日からなぁずっと痛いねん」

「ほぅ。顔上げてみ?」

「ん」

「! お前顔真っ赤やんけ!」

「そうなん?」

「ほれ、一旦熱測ろ?なっ?」

「ん。」

「ほれ、起きて、これ挟んどき。」

「だるぅ」

「ん。少しの我慢な」

「うぅ」


一分後

ピピピピ!ピピピピ!

「ん。ふくたぁ」

「鳴ったか?」

「ん。」

「どれ?…って、げっ!
38.6分!」

「ふくたぁ、だるぃぃ」

「徳井ぃ、どないする?病院行くか?」

「やぁ、動きとうなぃ(泣)」

(あー、もうアカン。熱のせいで自分見失っとるなぁι)

「わかったわ。じゃあ、寝室いこ?なっ?寝るだけやから」

「いややぁ…ひっ…ヒクッ…あぅ…」

(きっとまた熱上がったな)

「しゃあないなぁ。」

グイッ!

「えっ?ふやぁ!」

「俺が連れてったる」

「ふくた?」

(お姫様抱っこなんて。熱がなかったらきっと殴られてんのやろなぁ)


寝室


「かなり熱上がったから安静にしてろな?」

「ん。」

「ほな。薬買うてくるから」

ギュッ

「ん?」

「ふくたぁ、一緒におってぇ?」

(や、ヤバいιさっきまで耐えてた理性が!
つか可愛いすぎんねん!!コイツ!)

「せやけど、薬飲まんとアカンやろ?」

「うぅ、大人しくしてるかぁ、お願いやぁ」

(そないな顔すんなやぁ、エロいねん!涙流して、顔真っ赤にして、息荒くして!しかも手ぇ握って「お願い」て俺を殺すきか!)

「しゃあないなぁ。お前が寝るまでいたる」
(俺の理性が保てばね)

「ぅん///」

(あっ嬉しそう)

「あんなぁふくたぁ?」

「ん?」

「手ぇ繋いどいてえぇ?」
フッ
「ええよ」

「あり、がとぅ…スゥ」

「コレから先もずっと繋いどいたるずっと」


俺はこの手を離さないとあの日から誓ったから。
コンビを組んだあの日から。



END

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