短編

□一方通行の恋
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「無理だって言ってるだろ」

「やだ!好きだもん!」


ただ、駄々をこねてるだけだって分かってる。だけど止められないんだ。










一方通行の恋








「だから、俺には彼女がいるし、お前の事を友達以上には思えないんだ。」

「やだ!なんで、うー…」


もう無理なのは分かりきってるの。でも諦められないんだよ。
ずっと溜めてた想いが滴になってあふれ出る。

「うあーん…トシのばかー!」


トシはもう呆れて頭をかいている。














―分かってた。

トシが彼女を本気で好きなことも、彼女にしか見せない笑顔があることも。
でもきっと心の片隅で、もしかしたら…とか実は…なんてこと考えてたんだ。

そんなわけ、ないのに。
そんな自分に嫌気がさす。




「トシ…ぐすっ、好き。」

「…ありがてぇが、ごめんな。」


もう、これ以上言っても仕方ないんだ。
トシの想いがあたしに向くわけないし、しつこいヤツは嫌われるんだから。

「うん……あたしこそ、困らせてごめん。もう、大丈夫だから。」

あたしがそう言うと、トシはあたしを気にしながらも、去っていった。















「うっ…」





目から止まらない涙は、あたしの行き場のない想い。







ごめんね。


あたしのモノにならなくてもいいから

誰のモノにもならないで欲しかったよ。








これはあたしのエゴだけど。








end...

 

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