わんこと一緒に居ると
いつもより
もっともっと
素の自分になれるんだ

わんこがあんまり
素直だから
僕まで釣られるのかな?

ひとつ歳をとって
また年が離れても

『ひょん』じゃなくて
じなって呼びたいから

許してくれる?
わんこ…


てれーん…
或いはでれーん

緩みきった顔をしたその男は、ソファに座ってテレビなんて見ている恋人を、愛しくて愛しくて仕方ないって顔をしてみつめていたりする。

「わんこ?」

反応なし。

「わんこー?」

更になし。

「わんこってば!!」
「はいっ!!」

手まで挙げて返事をじたじんは、きょとんとしてこちらを見ている。

「さっきから読んでるのに、全然反応しないんだもん。…どうかしたの?」
「う…」

言えない。
ただ、見惚れていただけなんて…

「わんこ?」
「えっと…」
「ん?なあに?」

あんまり可愛いから…

言えないその言葉は出ないまま。
じっと見つめれば、その顔が噴出しそうになる。

「お腹空いたの?」
「ううん」
「チャンネル嫌だった?」
「ううん」
「もう…なあに?」
「そのが…」
「僕が?」
「あんまり可愛いから…」
「はぁ?」

噴出しそうだったのが、一気に崩れた。

「わんこだって可愛いよ?」
「!!!」

確かに、ひょんたちから言われることはあるけれど…まさかこの口から聞こうとは…








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