ONE PIECE LAW,ver

□第一章
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「聞いてんのか」


うわ…すっごい隈…。

眠いんだね、夜更かししちゃうんだね…分かるよっ!あたしもついつい……


『ウッ…』


いきなり首締められたよー!?

何でっ?…あたし何も悪い事してないっ。


「人の話を聞く気はあるのか」

『ごめっ……いっ』

「……奴等の仲間か?」

『ハァ…ハァ…違うよっあたしさっきこの森に来たばかりなのっ…なのに…っ…』


やばい、泣きそう…一生の不覚…(苦笑)


『なのに…っ…白熊さんがいっぱい人を倒しててっ…あたし何が何だか…ッヒック…』

「…違うならいい。ベポ」


隈のある男性は顎でクイッとあたしを指した。


って…………さっきの熊っ!?


『や…やだっ…あたしっまだ死にたく…』

「大丈夫?ボクは君を食べないし襲わないから安心して」

『……………え?』


つい隈の男性の顔を見てしまった。


「何だ」

『…え…?』

「…何だよ」

『ク…熊が…喋った…』

「喋ってスミマセン」

『わわっ…、違うのっ!良いよっごめん…あたし熊が喋るなんて知らなくて…。熊って喋るんだ…およっ?』

 
いきなりベポと呼ばれた白熊さんに頭を撫でられた。


「それより君、さっきまで泣いてたけど大丈夫?」

『ふぇ?…あ…うん。それよりここ何処?』

「ここって確か無人島だったよね、船長?」

「ああ」

『む…無人島…?』

「テメ、どこから来た?」

『えっ…あたしは…に…日本…』

「あ?ふざけてるのか」

『べ…別に…』

「つか…さっきから気になってたんだがその“耳”と“尻尾”どうした?お前は半獣人なのか?」

『ふぇ?』


あたしは耳を触ってみたけど…普通だし…。


「違う、頭だ頭」

『あた……って…何コレ…耳?」

「猫みたいだな…フッ」

『ね…猫って…え、何で?うわ…尻尾まで…』

「フフフ、ボクと一緒だね。動物同士仲良くしたいな」

『ベポさん…』

「さんはいらないよ。ね、一緒に船に乗らない?」

「おい、ベポ何勝手に話決めてんだ」

『船?』

「…俺達は海賊だ」

『海…賊…ってそんな…』

「言っておくがマジだぞ」

『…むぅ…』

「ね、君はなんて名前?」

『あたしは…ミュウ…』

「よろしくねっミュウ。この人はボク達の船長」
 
「トラファルガ・ローだ。で、船に乗るのか?」

『……ううん、いい。あたし海賊になりたくないし』

「えっ!?」

『ごめんね、ベポ。あたし未だに状況判断に追いついてないし…』


じゃあ、と言ってあたしは二人の側から離れ森の奥へ奥へと意味もなく進んだ。



 
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