be honest
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「思ったより長かったですね、観覧車。」
「…よい。」
私達は家に向かって歩いていた。
電車を降り、暗い道を手をつないで歩く。
涙は止まっていた。
泣いてもマルコさんを困らせるだけ。現状は何も変わらない。
それでも気を抜けば涙が出そうになる私は必死に話題を考えた。
「あ!お化け屋敷行き忘れた!!」
「真理はアレ怖くないのかよい?」
女って大体苦手だろ、とマルコさんが言う。
「こ、怖くないですよ!もちろん!!」
「馬ー鹿。」
「いだっ!」
ばればれだっつの、と言いながらマルコさんのデコピンをお見舞いされる。
脳みそがぐらつくのではないかと思えてくるほどそれは強かった。(マルコさん超いい笑顔だし。)
私のポケットには、今日買ったブサくまちゃんが入っている。(命名:私。)
そしてマルコさんのポケットにも。
大切に、大切に保管しよう。
「こっちは星が少ねェな。」
「え?」
「俺の世界では落ちてくるんじゃねェかと思っちまうほどいっぱいだよい。」
「へぇ…!!見てみたいなぁ…。」
空を見上げれば数えるほどしか星は出ていない。
写真の中でぐらいしか見たことが無い、プラネタリウムにも劣らないほどの星空を頭に思い描く。
キュッとマルコさんが私の手を強く握った。
「…俺と一緒に来ねェか?」
「えっ…?」
マルコさんが立ち止まった。