be honest
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「マルコさん、本当に今度からはお迎え来なくても大丈夫ですよ?」
今までも何も起きなかったんですし、といいながらマルコさんの前に料理を差し出す。
たまにはオムライス以外のものを、と思って今日はパスタにしてみた。
それを見ながらマルコさんは言う。
「俺が行きてェから行ってる。家ん中だけじゃ暇だしな。」
フォークを持ってパスタを豪快に食べ始める。
それは下品、というわけではもちろんなくたくさん口に含んで、それはそれは美味しそうに食べてくれている。
料理する方も作りがいを感じる、そんな食べ方。(私はそこまで作れるわけじゃないけど。)
「やっぱり暇ですよね…あ、昼間も私抜きで出かけてもらってかまいませんよ?」
「ああ、それはしてんだけど…」
してるのかよ!と内心突っ込みながらマルコさんの続きを聞く。
「一人じゃつまんねェよい。」
地味に発せられたその言葉は私を喜ばすには充分な威力を持ち合わせていた。
つまりは私といる方が、楽しいってことなんでしょ?
マルコさんは絶対に意識したわけじゃないと思うけど嬉しい事に変わりは無い。
「真理、少し料理上達したか?」
「え、本当ですか!?」
ああ、前より美味い、とマルコさんが少し頬を緩めて言ってくれる。
なんて一石二鳥なんだ、この生活。
いや、まあ二人分の生活費を出さなければいけないが、何より楽しいし料理も上達する。
いい事だらけなような気がした。