One Piece
□チェンジ!
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その日、中々の事では動揺しないはずのモビーディックの上でどよめく声があがった。
胸が豊満で締まるところは締まっている金髪の女と、その隣に立つ少年系の顔立ちをした小柄の男。
その二人を信じられないという顔で周りの人間が見つめる。
「ま、ママママママママルコ!?」
「***なのかっ!?」
一番の動揺を見せているのはエースとサッチだ。
エースは金髪の女を指差して奇声をあげ、サッチはサッチで男を指差して驚いている。
「な、何があったんだよ!」
「…………………知らねェよい」
「朝目が覚めたらこうなってた!」
ちゃんと下も男だった!と言う***にサッチが拳骨する。
「バカ野郎、お前はもとから男みたいなもんだろうが。それにブツが付いただけだろ」
「ひっど!女です!股の間にこんな汚物ぶらさげてませんでした!」
「女の口からはそんな台詞は出ねェよ!」
サッチと***が繰り広げる口論の隣でエースとマルコもまた会話を始めていた。
「ハァ………おれ、今心底死にたい」
「どうしてだよい」
「マルコに欲情するなんて…………」
普段は能天気すぎるほどの明るさを持つエースが今真剣に凹んでいる。
そんなエースを汚れたものを見るような目でマルコが見た。
普段の癖で腕を組むと胸が寄せられて谷間ができる。
それをエースとサッチがガン見してしまう。
「…なあマルコ、一回抱かせ」
「殺すよい」
サッチが試しに言ってみるとすかさずマルコの人を射殺すような鋭い視線が突き刺さる。
ちぇ、と唇を尖らせるサッチの隣で***が挙手した。
「はいはいはい!じゃあ私は?あ、おれか」
「は?」
「おれだったら、抱かせてくれる?」
コテン、と首を傾げる***を見てマルコが考え込む。
すると何か危険を察知したエースがふたりの間に割り込んだ。
「だ、ダメだぞマルコ!***とはヤらせねェ!」
「……そんなの本人たちの自由だろうがよい。どけ、エース」
「どかねェ!」
バチバチバチ、とエースとマルコが火花を散らしている間に、***がサッチの隣に立って呟く。
チェンジ!
「ちゃんと機能するものなのか、確認したいんだけど」
「…………***、頼むからもう黙れ」