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神様。

私が一体何をしたと仰るのですか。




「ほら真理、あと10回。」

「む、無理ッ…!」





何が悲しくてこの炎天下で馬鹿広い甲板をあと10回も走らないといけないのだ。

先程まで涼しかった気候が嘘のように熱くなった太陽を恨めしく睨む。


かといって太陽がその日差しを緩めてくれるのかと言ったらそういうわけにもいかず。

結局の所私はただ汗を流して足を動かすしかなかったのだった。



私をどんどん抜いていく船員達はまだまだ余裕のようで、少し息を乱すだけだった。

特に隊長格となると息を乱してすらいない。


エースなんて私にとっての全力疾走並のスピードで走り続けている。
(私なら1周するだけで死ぬわ。)




「真理、どんどん抜かれてるよい。」

「はぁっ…も、無理ッ…!」




そんな私を後ろから急かすのはあえてゆっくり走っているのだろうマルコさんだ。

もともと運動神経がずば抜けていいわけでもない私をここまでいたぶって楽しいのか。
(楽しいのだろう、きっとサドだから。)




「じゃ次エースに抜かれたらお仕置きな。」

「は、ハァッ…っ!?」





マルコさんの言葉に走りながら目を丸める。



エースに抜かれたら?そんなのあと半周しかないじゃないか。それにエースのスピードは半端ないし、このままだとあっという間に抜かれ――――


と考えているうちに、私の視界にはエースの背中が映った。




「おっさき〜!」

「え、っ…エースの、馬鹿ッ…!!」






乱れまくっている息でそれだけ叫ぶ。

それから訓練の中止を合図されたのはさらに5周走ってからのことだった。
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