愛さずに殺してくれ
なぁ、お前。
どうしていつも
そうなんだよ…――?
「止めろよ……」
「俺に触るなよ…――」
"胤夢"はいつも、この俺に
乾いた感情で。
悲壮的な"愛"をこの俺に求めて来た。
俺はいつも抵抗出来ないままに
気がつけばいつも胤夢の
事を抱いていた……。
「其処に愛はない―――」
だが、その不確かな
境界線側の向こうに。
俺は胤夢への
この不確かな愛を
感じざるおえなかった…。
最後に胤夢の体を抱いた
記憶が鮮明に。
俺の頭の中の脳裏の奥に、
歪なほどの爪痕を残して
俺の記憶から今でも
離れられないままでいた…―――。
Memory of light and a
shadow……
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