淫乱少年の恋愛方程式
□4発目-ボサ王子現る!-
2ページ/20ページ
しかし、青年は少女が
掴んだ袖を振り払うと。
とうとう席から立って、
おじさん達の集団の方へ
立ち向かっていった。
バスが動き出す中、乗車していた人々は。
唖然とした顔で何事かと、
青年を目で追った。
揺れるバスの中に漂う
空気は、一気におもたく
張りつめた。
光希をさっきまで怪しく囲んでいたおじさん達の集団は。
青年の言葉に慌てだして蜘蛛の子を散らすようにバスの車内の中で一気にバラけていった。
光希を羽交い絞めにしていた1人のサラリ−マン
らしき中年男性は。
光希をその場でとっさに離すと、無言で離れた。
そしてどこかのつり革に、
平然とした顔で黙って
つり革につかまった。
いきなりの展開に光希はその場で唖然となって、
そこで呆然とたたずだ。
「へ…?一体何がおきたの?」
光希は思わずその事を、
キョトンとした顔で呟いたのだった。
ボサボサ頭をした青年が、
つり革に掴まっている
中年男性の方へと。
下を向いた顔で真っ直ぐ歩き出すと。
すぐにその場で青年は、たち止まった。
「あっあんた…」
「その子に今、いけない事してただろ?」
青年はそういうと中年の男性のほうに詰め寄った。
中年の男性は白を切って、
青年を相手にしなかった。
青年は再び詰め寄った。
「とっ、とぼけても僕にはわかってるんだぞ…!?」
「お前達がしてたこと見てたんだからな…っ!!」
青年はそういうと、中年男性の方に指をさした。
車内にいた乗客は、中年
男性の方に一斉に視線をむけた。
男性はその場で慌てて、言い返した。
『ふ、ふざけるなっ!!』
『誰がそんな事するか!』