-さよなら僕の片想い-

□Sweet Kissバレンタイン
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ホワイトデーの2日前。

僕は光希君と喫茶店で話をしていた。

「永久君明日はホワイトデーだね」

「うん!」

「お返しくると良いね」

「うん!」

「でもアキラ君に間違えて」

「友チョコ渡したから」

「きっとお返し貰えないかも……」

永久はそう言うと顔をうつ向いて、
その場でため息をついた。

光希はそこでしまったと思いながらも。

永久の前で平静を装った。

「永久君ゴメンネ」

「本命チョコ食べちゃって」

「うんん…」

「僕がうっかりラッピングするの」

「間違えたから仕方ないよ」

「そう?」

「…うん」

「それに食べちゃったなら仕方ないよ」

「そうだよね」

「食べちゃったら仕方ないよね」

「ボクもあの日永久君から電話があった時は凄い驚いたよ」

「確認しないでチョコを食べちゃった」

「ボクも悪いよね」

永久は光希がチョコをすり替えた事実に
今だ気づいていなかった。

それどころか、自分が間違えて
ラッピングをしたと勘違いをしていた。

そんな永久に光希はラッキーと
半笑いを浮かべながらも。

そこで平静を装いテーブルに置いてある
メロンクリームソーダを一口飲んだ。

永久は光希に言った。

「ねぇ光希君」

「…チョコ美味しかった?」

永久がそう尋ねると光希は永久を見て、
ニコリと可愛く笑った。

「もちろんだよ永久君」

「チョコ美味しかったよ!」

「…本当?」

「うん!」

永久は光希の返事に話をきりだした。

「アキラ君がね……」

「うん」

「あの日、アキラ君が僕があげたチョコを見て」

「凄いガッカリしてたんだ」

「それでね、アキラ君が僕があげたチョコを泣いて食べてたから…」

「ひょっとしたらチョコ不味かったのかな何て」

「僕ちょっと思ったんだ…」

永久がしょんぼりしてその事を言うと。

光希は永久の手に自分の手を重ねて
断言した。

「それは違うよ永久君」

「本当にチョコ美味しかったよ!」

「本当…?」

「うん!凄い美味しかった」

光希は永久にそう言うとニコリと笑った。

永久は自分の涙をすこし拭いた。

そんな永久に光希は心の中で呟いた。



もちろんボクはね。


ボクは。



フフフ……。




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