blmemo

そぞろに

書きたい、書きかけ、書いてるネタを詰めていく。
※腐向け
◆放置物 



暗闇の中に、橙色の明かりがぼんやりと浮かび上がっている。
燈された一つの灯籠。
その傍らの上質な褥に寝かされていた佐助が、小さく呻いて目を開けた。
緩慢にさ迷わせた視線の先には、光の届かぬ暗い天井。
佐助にとっては見慣れた光景である。

「目が覚めたか」

呆けたようにゆっくり瞬いているとぼやける視界に男が入り込んできた。
艶やかな黒髪を後ろに撫で付けた、頬に裂傷跡のある怖面の男だ。厳しい目元。しかしそこに嵌められた瞳は、穏やかで深い色をしている。
彼が微笑んでくれた時、この瞳があたたかく撓められる様が佐助は好きだ。怒りを感じた時の刃のような鋭さも、恐ろしくはあるが嫌いではない。多くを語らない彼の気持ちを教えてくれる、この双眸が大好きだ。
双眸だけでなく、彼の全てが好きなのだ。
矜持を貫く堅い意志が。
包み込むような包容力が。
自分を孤独から救ってくれた、彼の優しさが。

だから佐助は、逃げる事が出来なかった。

「っ…放、せ!」




+++++

ここまで書いて放置してた物。
どう続けようかな…(悩)

2011/12/23(Fri) 01:43

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