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そぞろに

書きたい、書きかけ、書いてるネタを詰めていく。
※腐向け
◆真田主従 〜雪うさぎ〜 

「むぅ…俺には上手く作れぬ…佐助は真に器用だな!」

俺様の手の中の雪うさぎを見て、旦那が年甲斐も無く無邪気に笑った。
牡丹雪が静かに降る中、「俺は不器用だから」と鼻先が赤い、幼い顔で。
違うよ旦那。旦那が雪うさぎを作れないのは、不器用だからじゃなくてあったかいからだよ。
俺様が雪うさぎを作れるのは、俺様の手が凍えるように冷え切ってるからだよ。
毒に慣れた身体は、血の巡りが悪くて人らしいぬくもりなどとうの昔に失っている。
死人のようなこの氷の手に、あんたは今も臆する事なく触れてくる。椛のように小さくて柔かだった手が、胼胝だらけで硬いそれに変わっても。熱いくらいの体温を俺に分け与えてくれるんだ。

「旦那はあったかいね」

あったかい、あったかい。
俺様が触れているところから、そのぬくもりが消えていくと分かっていても。

俺様はこの人の手を、放す事なんて出来なかった。

2011/12/20(Tue) 23:41

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