「みんな!ご飯よ」

首元にスカーフを巻いて茶色に染まった髪をした少女の高い声がグランドに響き渡る。
それを合図にみんなの足は遅くなり、ゴールの前に立つロココが走り出した後を追いかける。

「わーーーい!お昼だぁ♪」
「やったぁ☆いただきまーーー「駄目よ!!」
「ッ痛!なんで〜!」
「先に手を洗ってらっしゃい」
「ナツミの言う通りだ」
「ウィンディまで・・・・」

ぶたれた手の甲を擦って口を尖らせるリューをつれて手を洗いに戻って来るとナツミが木の器に何かを入れていて、その中からは白い湯気が出ている。

「ナツミ、それは?」
「あぁ・・・・これは日本の料理で味噌汁って言うの、ゴーシュは見るの初めて??」

まぁなと相づちをうって手渡しされた味噌汁を少々見つめ、いただきますと呟いて口にする。

「ッッ!!」
「何?ゴーシュ!!そんなにおいしいの?☆」

嬉しそうな声で一気に飲み干すロココ。

「ごふぅッ!」
「ロココ!?!?」
「ぎゃあ!!」
「うッ」

だが飲み干した瞬間、得体のしれないものを吹き出しロココを見て驚いたナツミの後ろでリューとウィンディもが倒れる。

「こ・・・・これ、は」
「ゲボまずっ・・・・・・」
「今・・・・・・・・・・ツッコマなきゃいけない気がッした!」

そうロココとリュー、ウィンディは言い残して口を半開きにしたままカクンと意識を失った。

「きゃーーーーー!三人ともッッ何してるのゴーシュ!!監督を呼んで来て」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

そんな中、平然と立ち尽くし味噌汁を飲んで倒れたロココ達を見・・・・うまいと思ってしまったゴーシュはものすごく複雑な気持ちだった。



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