「晴矢!!!!!」
声を張って大量の荷物を持ち、テキパキと歩く水色の髪の少年の隣りで対象的に少なく軽そうなバックをしょって両手を頭の後ろで組んでいる背中に叫ぶ。
「あん?」
くるっと体をこちらに向けて少しめんどくさそうにしかめっ面をしていた晴矢は私の顔を見るなり、さらにムスっとした顔をして立ち止まる。
「なんだ」
「風介、テメェーは先に行ってろ」
「分かった」
その行動に疑問を抱いた隣りの少年、風介は仕方なくと言った感じに問いかけたが先に行ってろと言われ、さっさとそっぽを向いて歩き出してしまう。
「杏、どうしたんだよ」
「・・・・・・・・・・」
頭の後ろにあった両手を服のポケットに入れて近づいてきてお互い微妙な距離で向き合う。
「韓国の・・・・ファイアードラゴンって言うチームに引き抜かれたんでしょ?」
「はぁ!?引き抜かれたんじゃねぇ!!俺が入ってやんだよッ」
「・・・・・・そう」
私の言葉に呆れて鼻で笑い強く言う晴矢に下を向きながら答える。
少し沈黙が流れて、とてもじゃないが堪えられずに裾を握って顔を上げ声を装う。
「頑張ってきなさいよね!応援してるから」
「おう、じゃあな」
さらっとそう告げて、きびすを返す晴矢の後ろ姿に手を振る。
なんでだろう・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・」
いつから私達は・・・・・・
「・・・・」
こんなにも遠くなってしまったのか
「ッ・・・・・・」
「・・・・ッ晴矢」
当然の様に笑ってよ
「晴・・・・・・や!」
いつもみたいに頭を撫でてよ
「は!・・・・ぅ・・・・・・んん」
こんなに距離があったら
「ッッ!!んぅ〜・・・・・・・・うぅ」
私、晴矢に
「うわーーーーーん!!うぅッ・・・・ぁ、んん!・・・・・・うぁッあーーーーーー!んぅ・・・・・・・・ッッ」
好きって言えないよ