LIAR
□LIAR
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メンバーの視線が微妙に冷たい。
俺の失敗を咎めているのがひしひしと伝わってくる。
「さすがに、ねえ」
「いくら何でも、ちょっと」
「マズイとおもう」
「バカにつける薬はありませんね」
全く返す言葉もない。
俺はバカだ。
ああ、バカで結構。
「バカが開き直ると最低ですよ」
「………」
俺は鞄を引ったくると、可愛いマンネを睨み付けた。
ム、ムカつく。
「ユノ!…早く行かなくていいの!」
「行けます!すいません!」
呼びに来たマネージャーの言葉で俺は慌てて走り出した。
今は急ぐしかない。