LIAR
□truth
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「……………………………婚約破棄?」
「本当は俺なんかが喋っていい話じゃないんだろうけど……しゃーないよな」
リョウは俺に説明し始めた。
巻き戻した記憶をゆっくりと再生していくように。
「ずっと上手くいってたんだよ。名無しさんとマユミは」
どちらかというと大人しい名無しさんと積極的なマユミはバランスのとれた友人同士だったらしい。
「名無しさんとケイスケ…あー、その」
名無しさんと婚約者との順調な交際をマユミは喜んでいたし応援もしていた。
「…結婚するって決まった時には最初にマユミに報告したくらいだから」
それがどうして、狂ってしまったんだ。