LIAR
□caller
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久しぶりに訪れたブルームは変わらない賑わいを見せていた。
香水とアルコールの匂いが店に充満し、夜の狂喜に徐々に火をつける。
俺はまだ言われた意味が分からなかった。
「名無しさんが好きなら、そうしろ」
一体どういうことなんだ。
これが名無しさんとどんな関係があるっていうんだ。
「さっぱり分からない…」
「いつものことでしょう」
チャンミンはフロアをぼんやり眺めながら言った。
「リョウの言いなりでいいんですよ…どうせ考えても無駄ですから」
…言葉をオブラートに包むってことを知らないのか?
日本語は得意だろう、マンネ?
「……来ましたね。じゃあ僕は消えます」