LIAR
□想い
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「名無しさんちゃん、ランチしようか?私がご馳走するから」
「うわ、いいんですか?じゃあ、遠慮なく」
外出したついでに先生と私は早目のランチを取ることにした。
まだどの店も空席が目立っていたから、いつものせわしなさは感じない。
「ちょっと贅沢な気分です」
「本当ね…って私達も貧乏性ねえ」
二人で顔を見合わせて笑う。
立ち並ぶ看板を比べてはミーティングを繰り返し、最終的に選んだのは
「デザートがおいしそうなここにしよう!」
イタリアンのお店だった。
「遠慮しないで食べてね、名無しさんちゃん」
「はい、じゃあ…」
先生はメニューを選ぶ私を見つめている。
「…無理しなくていいわよ?」