LIAR

□rescue
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最後の抵抗だった。


「今日は」と付け加えたのは、俺が納得していないと名無しさんに分かって欲しかったから。


何もかも始まりかけたばかりだった。

俺は名無しさんを知ることに必死だったけれど、よく考えたら自分のことを知ってもらう努力をしていなかったんじゃないだろうか。


毎日を
どんな人達と過ごして
どんな風に感じて

君に出会って
いくつの喜びに出会ったか


なにひとつ伝えられていなかったのかもしれない。

初めて抱きしめた名無しさんは柔らかくて、壊れてしまいそうなくらい頼りなかった。

その涙は間近で見るには胸が痛すぎた。


「行くよ、フラれ虫」


これはとてもリーダーをなぐさめる言葉とは思えない。
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