LIAR
□さよなら
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ユノの優しさが聞こえる
抱きしめられたその腕は
ただ私を包むだけ
ごめんなさい
ごめんなさい
知らなかった
嘘をつくのがこんなにも
自分の傷も刺激するなんて
私の頭の中ではマユミの言葉がずっとリプレイしていた。
「名無しさん…俺は」
ユノの呼吸が早くなった。
「……離して」
離さないで
もう会えないと思ったら、言ってしまいそうになった。
あと一秒でいいから
私を抱きしめていて
離したくないと言って
そんな虚しい願い事をした
ユノはそっと私の背中から腕を引いた。
「……涙が出るくらい、俺が嫌い?」