LIAR
□impatient
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完璧な作戦だった。
まず俺は名無しさんがブルームからの帰りに利用する運転手に電話して、タクシーを貸し切った。
以前に渡された名刺がこんな所で役に立ってくれるとは。
物は大事にしておくものだ。
「ただ財布に入れっぱなしだっただけでしょーが」
…黙れ、外野。
事情を説明すると、運転手は喜んで了解してくれた。
「では、9時に私がお迎えに参ります」
「お願いします」
行きつけのレストランバーにも個室の予約を取った。
ワインに合う料理と、美味しいデザートを特別に頼んだ。
プレゼントは…さすがに買いに行く時間がなかった。
仕事が終わる頃にはもう店が開いていないし、さすがにハードスケジュールが続いて参ってもいた。