LIAR

□impatient
1ページ/5ページ

完璧な作戦だった。

まず俺は名無しさんがブルームからの帰りに利用する運転手に電話して、タクシーを貸し切った。

以前に渡された名刺がこんな所で役に立ってくれるとは。

物は大事にしておくものだ。


「ただ財布に入れっぱなしだっただけでしょーが」


…黙れ、外野。

事情を説明すると、運転手は喜んで了解してくれた。


「では、9時に私がお迎えに参ります」


「お願いします」


行きつけのレストランバーにも個室の予約を取った。

ワインに合う料理と、美味しいデザートを特別に頼んだ。

プレゼントは…さすがに買いに行く時間がなかった。

仕事が終わる頃にはもう店が開いていないし、さすがにハードスケジュールが続いて参ってもいた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ