LIAR
□贅沢な悩み
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…繋がらない。
「どうしよう」
ランチの時間から今まで、隙を見て何回電話をかけている事か。
「…電源が入っていないため、かかりません」
そのたびに聞こえるのはこの台詞。
…リョウも、ユノも同じ。
私は泣きそうな思いで、何回も携帯のサブ画面を確認した。ひたすらコールバックを期待して。
ユノが言った「明日の夜」が、刻一刻と近づいている。
どうしてきちんと断らなかったんだろう。
お礼なんか要らないのに。
喜んでくれただけで嬉しいのに。
ユノが迷惑なんて
とんでもない
私がユノの迷惑なの
きっと
そうなるの
分かってるから
分かってるなら
…止めなきゃ、いけないんだ。
「デート、か」
「…名無しさんちゃん、デートするんだ?」