LIAR
□decision
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アルバムの内容については、まだメンバーには納得行かない部分が残っていた。
「どうしても駄目ですか」
そう聞くとスタッフは黙ってしまう。
「ラストにもう一曲、入れたいんです」
ジェジュンは諦めない。いや、全員の気持ちを代表して訴えている。
「東方神起のスケジュールに、余裕がないんだよ」
スタッフは言った。
「ぎりぎりまでレコーディングして、その後メンバーはしばらく韓国で活動だろ?時間的に無理だよ、ジェジュン」
「お願いします」
「ユノまで…」
プロデューサーは腕組みをしたままで表情を動かさない。
「今の俺達の精一杯を伝えたいんです」
名無しさんの言葉が頭をよぎった。
「東方神起を必要としてくれるファンの為に」
(幸せだよね、ユノ?)
恥ずかしい仕事はできない。
名無しさんにも聴かせたいから。