LIAR
□confusion
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朝が来れば、現実が津波のように襲ってくる
騒々しい声と足音
コーヒーの香り
食器ががちゃがちゃと鳴って
……お前達、うるさいよ。
コンコン、とドアをノックして、チャンミンが顔を覗かせた。
「シャワー、今なら空いてますよ」
俺はベッドから飛び起きた。
お前は良い子だな、チャンミン。
「顔が変です、ユノヒョン」
「えっ?」
「ゆるんでます。何かあったんですか?」
「何もないよ?別に?いや、今日も仕事を頑張ろうな」
早口にそう言って、俺はチャンミンの前を通り過ぎた。
お前はただの良い子じゃないな、チャンミン君。
洗面台の鏡を見て、顔を軽く叩く。
寝癖のついた髪と、少し腫れぼったい目。
ゆるんでるって?
…つい、口元が笑う。
「俺は中学生か」