envy…

□特別な囁き
1ページ/10ページ

女が本当に欲しいもの

ダサくて
ダサくて
ダサいもの


「言って欲しいよね」


自分勝手な欲望は膨らみ続けた。

噛み合わない「違い」に私はやりきれない感情を持て余していた。


「ユノ…さんは?」


「…秘密」


「友達なのに?」


彼女は頬を赤らめた。

自白したも同然

私はお返しのワインを注いだ。


「…ユノには内緒にしてね?」


「水商売は口が堅いのが鉄則。って…もう『元』だけど」


私達は約束の乾杯をした。


「名無しさんと仲良くなれて本当に嬉しい」


「意地っ張りだけどね?」


彼女は腕組みする私に「ごめんね」と謝る。


「私、名無しさんの前ではユノの彼女でいていいんだな、って。すごく安心してるの」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ