envy…
□ふたつの自分
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ミネラルウォーターのキャップを捻ると、ユチョンはそれを私に渡した。
とりあえずリョウの出まかせに付き合って私は冷たい水を飲んだ。
完全に私を気遣うモードのユチョンはソファの隣に座って様子を伺っている。
…何から切り出せばいいのよ。
私はペットボトルをテーブルに乗せた。
「…こんな所にいたらマズイんじゃない?今日、帰るんでしょ」
私は自分のひねくれっぷりに嫌気がさした。
…どうして「ありがとう」が言えないの?
「みんな行っておいでって…ダメって言われても多分来たけど」
ユチョンの手が顔に触れた。
…どうしてそこまで出来るの?
「メール、どうやって送ったの」
拒否したはずのユチョンからのメールが何故か今日は届いた。
「充電が切れたから、ジェジュンに借りた。ほら、これ」
ユチョンはいつものとは違う携帯を私に見せた。
私は神様に嫌われているのだろうか。