envy…
□隠した言葉
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ブルームのカウンターでビールを飲んでいたら、リョウがやって来た。
「よお、お疲れ。会えて良かった」
「…なによ、その言い方」
お別れの挨拶みたいじゃない
私は口角を上げたリョウを見上げた。
「明日から、しばらく休むんだ」
「ツアー?」
「まあ、体調の管理も兼ねて」
ちょっと早いけどな、と微笑んだ。
プロならば当然のこと
時計を合わせるのには時間が必要だ。
「一杯、おごらせてよ」
「サンキュー、名無しさん」
リョウは透明な冷蔵庫からジンジャーエールを取り出した。
「…色気ないわね」
「ツアーが終わったら、吐くまで飲もうな 」
ストイックな男は、好きだ。