envy…
□うらはら
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濡れた髪をドライヤーで乾かしているとインターホンが鳴った。
ロックを外すとすぐに二度目のインターホンが部屋に響く。
「名無しさん、来たよ」
ユチョンは靴も脱がずに私を包む。
マフラーからは微かな香り
寒さと彼の優しい誘惑
「…早いじゃない」
「だって好きだもん」
「…あれは冗談よ」
「俺は本気だよ」
弱ってる女には言わないで
私はユチョンの肩に顔を隠した。
耳元で彼が囁く。
「好きだよ、名無しさん」
抱きしめる腕は、私を彼のもっと深くへと引き入れていく。
その言葉を信じられたら
私はどれだけ
ラクだろう
「髪、まだ乾いてないの」
私はユチョンの腕を外しながら言った。