envy…

□会えない人
1ページ/4ページ

私が上京したのには特別な理由なんてなかった。

たまたま就職先だっただけ

親には近くの短大にでも行けばいいと言われたけれど、もう勉強するのはイヤだった。

一人暮らしにも憧れていた。






最初は普通に昼間に働いた。

狭いアパートにささやかな暮らし

地方出身だと陰口を叩かれても気にならなかった。

友人もできたし親にわずかな仕送りもした。

私は充分に満足して生きていた。
…バカな男を知らなければ。


社会に放り出されて知った現実に私は打ちのめされた。

世の中には嘘があふれている
男の汚い嘘


「…バレなきゃいいんだって」


職場の上司は囁いた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ