envy…
□会えない人
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私が上京したのには特別な理由なんてなかった。
たまたま就職先だっただけ
親には近くの短大にでも行けばいいと言われたけれど、もう勉強するのはイヤだった。
一人暮らしにも憧れていた。
最初は普通に昼間に働いた。
狭いアパートにささやかな暮らし
地方出身だと陰口を叩かれても気にならなかった。
友人もできたし親にわずかな仕送りもした。
私は充分に満足して生きていた。
…バカな男を知らなければ。
社会に放り出されて知った現実に私は打ちのめされた。
世の中には嘘があふれている
男の汚い嘘
「…バレなきゃいいんだって」
職場の上司は囁いた。