envy…
□ゲームの始まり
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「ヨボセヨ〜」
「…私は日本人なんですけど」
「どうかした?」
「…べつに」
バカな客は自分の指名したキャストが来るのが遅いとキレていた。
「いつまで待たせるんだよ!」
なぜエリがお前なんかに睨まれなきゃならないの。
待つのがイヤなら同伴しろよ、カス。
結局店長が事態を納めて、バカは出入り禁止になった。
「…すみません、楽しい席のお邪魔をして」
「いや、エリもここに呼んでやれよ」
「ありがとうございます、三上さん」
煮えたぎる苛立ちを押さえ込んで、私は笑顔を貼り付けた。
こんな男でも
バカよりは随分マシ
「気分直しにシャンパン、頼むよ」
…たまには使えるじゃないの。