envy…

□ゲームの始まり
1ページ/8ページ

「ヨボセヨ〜」


「…私は日本人なんですけど」


「どうかした?」


「…べつに」






バカな客は自分の指名したキャストが来るのが遅いとキレていた。


「いつまで待たせるんだよ!」


なぜエリがお前なんかに睨まれなきゃならないの。

待つのがイヤなら同伴しろよ、カス。

結局店長が事態を納めて、バカは出入り禁止になった。


「…すみません、楽しい席のお邪魔をして」


「いや、エリもここに呼んでやれよ」


「ありがとうございます、三上さん」


煮えたぎる苛立ちを押さえ込んで、私は笑顔を貼り付けた。

こんな男でも
バカよりは随分マシ


「気分直しにシャンパン、頼むよ」


…たまには使えるじゃないの。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ