envy…
□後輩の願い
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「名無しさんさん…」
「チョコレートは当分要らないから」
私はエリにサイン入りのCDを渡しながら言った。
エリは目を輝かせている。
今にも泣き出しそうだ。
あの後あくびが止まらなくなったユチョンを、私はリョウに頼んで無理矢理タクシーに乗せてもらった。
「名無しさん、でんわするからね」
強制送還のタクシーの中から、ユチョンが手を振って言った。
私も笑顔でタクシーが見えなくなるまで手を振った。
定番の「お見送り」
「騙し討ちみたいなことして悪かったな」
「リョウにはお世話になってるから」
「でも、いい男だろ?」
「東方神起に電話番号を聞かれて断るキャバ嬢はいないって」
「素直じゃないな、相変わらず」
リョウが不敵に笑った。