envy…

□強引な再会
2ページ/7ページ

「よお、名無しさん。お疲れさん」


いつものカウンター席に腰を下ろすと、リョウが声を掛けてきた。


「…一人か?」


「私はいつも一人じゃない。…どうしてそんなこといまさら聞くの?」


カウンターの中にすたすたと入ってきて、リョウらしくない質問だった。


「あー、別に?」


口角をあげて笑うリョウは悪戯っ子みたいな表情をしている。

どうも「別に」って笑いには見えない。


「感じ悪い…」


「そう言うなって。ほら、これ」


リョウは小さな器をテーブルの上に置いた。


「少しは食べないと。身体が持たないからな」


器の中にはプチケーキがちょこんと乗せられていた。


「サービスだよ」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ