envy…
□私らしい別れ
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最後の夜は馴染みの客が店を盛り上げてくれた。
「名無しさん…辞めるなよ」
別れを惜しんでくれる。
「名無しさん、クラブに行きたいなら紹介するからな?」
行く末を案じてくれる。
「名無しさん、今まで楽しかったよ」
新しいスタートを応援してくれる。
バカな男達
大嫌いだった男に、私は感謝していた。
仕事の合間には、花束とチョコレートが死ぬほど届いた。
ピンクのシャンパンがどのテーブルでもオーダーされた。
「名無しさんさん、今日は飲み過ぎちゃダメですよ!」
席を移動する私に、エリが厳しく注意する。
「エリ…」
「ラストまではNo.1ですよ。だから…無理しないでくださいね」