envy…
□蝶の傷み
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アルミを破いて茶色の板を見つめる。
長方形が欠けて、少し歪んだ割れ目に残る…かすかな、あの日。
消毒薬がしみる私よりも痛そうな顔で、傷の手当てをしてくれた。
漢字がよめない、と照れながら枝豆の包装とにらめっこしていた。
私のどんな憎まれ口も笑って聞き流して。
私はまだ欠けていない方からチョコレートを割った。
ゲームの終わりを決める前の
何も知らなかったあの日を思い出す。
ビールとチョコレート
繰り返した優しいキス
蝶じゃなけれぱ?
「…出会ってないって」
いっそ出会わなければ、よかった。