envy…
□うらはら
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控室での罰は言葉だけでは終わらなかった。
私の皮肉に激高した彼女は、泣きながら反撃に出た。
加減のない
ストレートな感情表現
胸元を掴まれて、元々余裕のないドレスが身体を締め付けた。
「悔しいなら、努力しなさいよ」
「名無しさんさんには、私の悔しさなんか分からないのよ」
「私だって……同じよ」
毎日繰り返す
くだらないゲーム
負けるフリをしながら
「何か」が擦り減っていく
一瞬、顔をかすめた女の爪が頬にぴりりとした痛みを付けた。
「悪いけど、私に当たっても売り上げは増えないわよ?」
「開き直る気?」
「…くだらない」
私はドレスの胸元を直して言った。
「ゲームはいつか、終わるのよ…」