ＬＩＡＲ
□heart
4ﾍﾟｰｼﾞ/5ﾍﾟｰｼﾞ
名無しさんはコーヒーを俺の前のテーブルに置くと加湿器のスイッチを入れた。
コポ…という水の音がして程なく優しい蒸気が部屋を潤し始める。
「俺が…東方神起のユノだから？」
「………」
「住む世界が違うから？」
「………」
「名無しさん…」
「…ユノ…………理由が分かってるのなら、もういいでしょ？」
「良くないよ。…俺は名無しさんの口からはまだ何も聞いていない」
立ち上がって、キッチンにまた戻ってしまった名無しさんの方へと歩く。
カウンターの手前
その向こう側に立つ名無しさんは、今にも泣き出しそうな顔で俺を見ている。
「ユノ……私はもうあなたとは会いたくなくなったの」