LIAR
□first contact
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彼女は扉を開けて、俺を中へと案内してくれた。
一段と賑やかな声が部屋中に響いている。
甲高い女性達の笑い声と、テーブルに弾かれたグラスの音。
「遅いよお、ユノ」
俺に気付いて、ハグしようと駆け寄って来た姿に答える。
「悪い、ジェジュン。打ち合わせが長引いちゃってさ」
夜遊びに呼び出されるなんて珍しい。
何かのトラブルかと心配していたけれど、どうやら違ったみたいだ。
部屋の中にそんな様子は感じない。
「ささ、ユノも座って」
ジェジュンが俺を皮張りのソファに誘導する。間髪入れずにワインを注いだグラスが目の前に置かれた。
「じゃあ、かんぱーい」
グラスを高く持ち上げて、ジェジュンが仕切り直しの号令をかけた。
セクシーに足を組んだ女性と、ずっと内緒話をしていたユチョンも、俺にグラスを向けて微笑む。
どこでもモテますね、君は。
俺もユチョンに向かってグラスを上げた。