shortnovel

□歪曲LoVEr.
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(シズイザ前提新臨/シリアス)
・新羅病み
・臨也壊れ
――――――――――









「しんらぁ」
「何?」
「すきぃー」
「僕もさ」

今目の前にいる臨也に以前までの人を見下したような姿は陰一つ無い

何でかって?
僕がそうしたに決まってるじゃないか

中学で初めて会ったとき静雄とは違う魅力を感じた
僕にはセルティと言う愛しき人が居るけどそれとはまた別

「しんら、しんら」
「今度は何?」
「すきだよアイシテル」
「さっきも聞いたよ」

猫が喉を鳴らし甘えるように
臨也も甘えてくる、結構可愛い

中学時代はどうやってこの猫を手に入れるか悩んだものだ

高校に進学し小学校で同じだった静雄と再会した
臨也はその頃から人間観察が好きだったから特殊な力を持つ静雄はうってつけだと思って会わせてみた

それが間違いだったのかもね

会ったその日から、

シズちゃんシズちゃんシズちゃんシズちゃんシズちゃんシズちゃんシズちゃんシズちゃんシズちゃんシズちゃんシズちゃんシズちゃんシズちゃんシズちゃんシズちゃんシズちゃんシズちゃんシズちゃんシズちゃん………

臨也はそればっかり

最後に僕の名前呼んでくれたのいつ?
なんて乙女チックな事考えた時もあったよ

いつも静雄と喧嘩して、怪我して、
臨也の治療出来るのは嬉しかったね

でも流石に忘れ物を取りに行った教室でキスしてた時は驚いたよ

僕の知らない間に付き合ってるなんて…


二十歳を越えた今でも二人は付き合っている
池袋での喧嘩は絶えないが見ていたら丸分かりだ



前置きが長くなってしまったね
本題は何故臨也がこうなってしまったか


まぁ簡単に言えば薬
麻薬のような違法な物ではない
惚れ薬と言ったところだろうか

それを臨也がいつも貰いに来る睡眠薬に混ぜておいた

もう静雄の姿は臨也の中に無いだろう
精神の方もゆっくり壊していったからね


「しんらといっしょしあわせ」
「幸せだね」
「おれしんらといっしょにしぬ」
「死ぬまで一緒って事かい?」
「んー、しんでもいっしょ」
「そっか死んでも一緒か」
「うんっ」


だから臨也は変わった以前の姿は無い

虚ろなうっとりとした瞳
常に笑っていて舌っ足らずな口調

黒髪を撫でてやれば更に嬉しそうに笑う



不意に携帯のバイブレーターが響く
ディスプレイには"静雄"の文字



「もしもし?」
『最近臨也見ねぇんだけど知らねぇか』

やっぱり臨也の事だ
そりゃあ恋人が居なくなったら心配するよね

本当の事なんて言ってやらないけど

「知らないよ、君が臨也を心配するなんて珍しいね」
『っ、色々あってな…何か分かったら連絡くれ』
「分かったよ」
『それじゃ』

慌ててたなぁ
笑いを堪えながら電話を切る


「でんわ、だれから?どっかいっちゃう?」

不安そうに首を傾げる臨也は今にも泣いてしまいそうな勢いだ

「大丈夫、何処にも行かないよ」





臨也は僕が居なきゃ生きていけない

もう静雄には渡さない



僕の、僕だけのコイビトだ。





fin.





―――――

セルティはログアウトしました^^;




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