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□おじいちゃまは心配性
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「クフォフォ…流石呂姫様。この組み合わせにお気付きになられるとは…」
「気付くというか…突っ込まない方がおかしいと思うが…」
呂布も思わず口を開く。
「そうですか?尋ねられたのは呂姫様が初めてでございますが…?」
(皆李儒のこと怖がってるんだね…)
呂姫はしみじみとそう思った。
「クフォフォ…良いでしょう。お二人にはこの組み合わせの秘密、教えて差し上げましょう…。これはですね…」
「これは…?」
「…炒飯の量を増やす、最高の計なのです!!」
「……は?」
呆然として尋ね返した呂布と呂姫だったが、李儒は既に自分の世界に入ってしまっていた。
「このライスをこうして炒飯に混ぜるんです…そうすると!何の味も無い白米が炒飯になるのです!炒飯が二人分食べたい時…愚者は正直に二人分を頼み、七百円を支払うのでしょうが、この方法なら二百三十円も安くつくのです!!これぞ人類最高の計!!クフォフォ…己が才が恐ろしゅうございます…」
「…貧乏臭いね、李儒…」
呂姫が思わず漏らした一言も、既に李儒の耳には入っていない様だ。とうとう炒飯談義だけでは飽き足らず、来々軒の説明が始まった。
「そもそも来々軒というのは、中華の王道にして定番というイメージが定着しつつありますが、元々は倭国が発祥の地でありまして、それがこの地に帰化し言わば逆輸入の様相を呈している訳で…」
李儒は嬉々として語っている。呂布も呂姫も、この時初めて李儒を怖いと思ったと言う…。
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