刺激?

□嘘⇔愛
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「ね、山ちゃん。今度の休み、デートどこいこっか?」





俺の恋人、山ちゃんにそう言いながら肩を叩く。
久しぶりに休みなので今度の日曜日に一緒に遊びに行く約束をしてたのだ。





「あー、うん・・・」





きまづそうに、何か言いたげに、俺の質問に答えようとする山ちゃん。
その原因は他でもない、アイツヘの気持ちの所為。



山ちゃんは知念がすき。



本人は隠してるつもりだろうけど、バレバレだよ。




「どこ・・・でもいいよ」



そう言って笑った山ちゃん。
その笑顔は、どこか寂しげだった。
何年見てきたと思ってんの。
作り笑顔なんて、やめて。
もしかしたら、中途半端な気持ちで付き合うくらいなら、振ってくれたほうがいいと、
思うべきところなのかもしれないけど
大好きな山ちゃんを俺から別れるなんて出来なくて。
結局、ずるずると付き合い続けていることは
山ちゃんを手放すことのできない自己愛と、知念へ嫉妬している俺の言い訳でしかなかった。



「・・・み」
「え?」



ぼそっと、聞こえるか聞こえないかくらいの声で俺は呟いく。
考え事をしていたと思われる山ちゃんは聞き取ることが出来なかったんか、
顔をあげて聞き返してくる。




「海・・・行きたいな」
「海?」
「そ。泳ぐんじゃなくて、夜にさ。海見に行くの」



どうかな?なんて言いながら返事を待っていると
山ちゃんが俺ににぎゅっと抱きついてきた。



「海・・・いいよ。行こっか」



俺のの胸に顔をうずめながら。
一瞬慌てたけど、山ちゃんにふわっと笑顔を見せながら
山ちゃんの頭を撫でた。



ゴメンね。
俺から別れを告げれば全て終わることなのに。













嘘⇔愛

(苦しむ愛しい人)
(手を放してあげられたら・・・)

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