命遊び

□葡萄
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行為後のティトレイはぐったりとしていて、しばらく何も話さない。

僕はそんな彼を労りもせず、また、何も話さないでその場から離れていく。


時々振り返るけど
ティトレイは布団に顔を埋めたままだ。






僕が彼をそう思っていないように、
ただ彼もそう思っていないだけ

それは分かっているのに
この苛立ちは何なのだろう

僕は愛されたいのか?


・・・・・・ふ。それはやっぱり鬱陶しいな。














今日もまた、僕は影からヴェイグ達の跡をつける。
(決してストーカーではない。仕事だよ仕事。仕事なんだよ。)


戦闘時、ティトレイは敵に囲まれてフルボッコされていた。
直ぐに自前の回復力で立て直すけど
ああも無茶な戦い方を繰り返していると
一気にそのツケが体に回ってくるよ。









「ほらね。」

ぐったりと宿のベッドに横たわるティトレイを見て僕は満足そうに笑う。


「・・・・・・何がだ」

疲れているということは、そのキレのない突っ込みで分かる。

僕は部屋に置いてある果物を一つ摘んだ。

葡萄。ここは空気読んでラズベリーにしろよ。
そんな身勝手なクレームはさて置き

僕は葡萄を口に含むとティトレイの寝ているベッドに体を乗せた。

スプリングはついてなく、堅いベッド。
いや、布団が柔らかいから五分五分だな。


突っ伏しているティトレイの首を無理やり回してその口に僕の口を押し付ける。

口内の葡萄を押し込むと、ティトレイはそれを素直に絡めとり、噛まずに飲み込んだ。
ゴクリと喉がなり、僕はティトレイに口をつける理由が無くなったので、口を離した。


あれ。僕は何がしたかったのだろうか。
ただ葡萄を食べさせたかったわけではないと思うけど

他に理由が思いつかないのでそれにしておこう。


ティトレイは無理やり回された首をゆっくり動かして
また布団に顔を突っ伏している状態になった。



僕はティトレイのベルトを緩める。
薄ら聞こえるため息。

嫌なら
疲れてしたくないなら

・・・・・・断ればいいのに。


「ティトレイ。」

読んでも返事がない。
どうやらティトレイは行為モードに入った模様。


「ティトレイ、」


もう一度呼ぶ。

やはり返事はない。







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