命遊び

□シチュー
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全くめんどくさい奴だ。

ティトレイのことだよ。

甘いものって言ったら分かるだろ?


・・・・・・キスして欲しいんだよ。

鈍くて困る。



エプロンなんかしちゃってさー!可愛すぎるんだよティトレイは!!

僕的にはもっと甘いことしたいんだけど

だって僕たち恋人同士だし(サレの妄想で)

ティトレイがツンデレで・・・・・・
(サレの妄想で)
(ティトレイは自分の感情には素直です。ツンツンしながらお菓子渡したりしません)


「ティトレイ。僕の言いたい事分からないの?」

「1mmもな。」

むう。
僕のこと適当にあしらって料理に没頭しちゃうし。

なんだよぉ。
寂しいじゃないかぁ。


いいもん。ティトレイなんか知らないもーん!

僕はそっぽ向いて頬を膨らませて怒っているフリをした。
もちろんティトレイはガン無視だけど。

・・・・・・。

・・・・・・ティトレイ

・・・・・・。

・・・・・・ね、気付いてよ。

・・・・・・。

・・・・・・。

・・・・・・顔が引きつってきた。

・・・・・・。

・・・・・・怒っているフリ、止めよ。



「サレ、あーん。」

急にティトレイが振り向いて僕に顔を近付ける。
一瞬ドキッとしたのが恥ずかしい・・・・・・



言われるがまま口を開くと

スプーンを口の中に突っ込まれる。




ラズベリーのジャムの味が広がった。


「・・・・・・え?」

「んだよ。甘いものって言ったじゃねぇか。」

「何で、ラズベリー?」

しかも甘味が丁度よくて薄ら酸味が入っている。
僕の好みの味。


「サレ、好きだろ?ラズベリー。」

「でも、この辺には売ってないよね?」

「サレのためにいつでも用意してんだよ。」

実際ティトレイから出て来た言葉は
「そこの出張市場でたまたま安売りしてた。」
だったのだが、サレの得意の妄想により脳内変換されていた。





こんないつ出没するか分からない僕のために、好物を用意してくれているなんて


「ティトレイも素直じゃないね〜」

「・・・・・・俺はいつでも思ったことそのまま話してんだけどな。」


僕はティトレイに抱き付く。

ほら、嫌がらないし、抵抗しないし(照れもしないけど)やっぱりティトレイは僕のこと大好きなんだよね。







ティトレイはただ、無理に引き剥がすと逆に厄介なことになるのを知っていて

あと、もう嫌がるのでさえめんどくさくなっているからで

まあ、結局言えることは

サレの独りよがり、
ということである。








『白濁な半固形物・・・・・・ああ、ダメだ。シチュー食えなくなってきた』






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