命遊び

□焼きサンド
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ひたすら寒い言葉をかけられながら、必死に耐える。ヴェイグ早く助けに来てくれ。心が死にそうだ。

ドブリと中に熱いものが注がれる。
染みるからそれなりに酷く切れたんだろう。思春期に痔ってなかなかの試練だと思うし、中に出してんじゃんねぇよ!!
別に何かが産まれる訳でもないけど、相手の配慮のなさに妙に腹が立つ。

「終わったんなら、もういいだろ」

涙目になってたと思う。俺はげんなりしながら、サレに俺の上からどくように促した。
しかし、サレは俺にすりより、また愛を囁く。

「離れないよ、ティトレイ」

何もうつしてないその瞳が一層と不気味さを増し、俺の体に寒気が一斉に過った。ザワッ。気が遠くなる。いや、頼むから遠くなってくれ。

しかし、この旅で培った精神力はそう簡単にへばってはくれず、更にサレの愛撫を鮮明に受けることになる。

サレは可愛いサイズだね、とフルコンボで蹴り倒したくなるような言葉で俺の神経を逆撫でながら、いちもつにしゃぶりついた。

「っあ」

思わず声が漏れる。だって、さっきまで、さんざん好き勝手やって、レイプしたくせにこんなのずるい。
サレの舌が絡み付き、感じたことのない快楽に俺はただ腰を捻らす事しか出来なかった。

口でして貰うなんて、姉貴のようなお嫁さんもらって、叶うものだと思っていたのになんでこんな歳の離れた相手、しかも男にされているんだ。

そもそも男の癖になんでそんなにフェラチオ上手いんだよ、ラリった所為かと思ったけどまさかマジもんなのかお前は。

ちゅぽっ、ちゅぽっ、とエッチな音がする。さっきまでサレの顔を直視できなかったのに、俺は飲み込まれる自分のものと、サレの口許を食い入るように見つめていた。

やばい、気持ちいい。おかしくなりそう。
悔しい。感じたくない。でも、もっと、激しく…!!

さっきまで、今もそうだけど、嫌悪している相手にこんなことされて、興奮してる。
俺はこんなにやらしくて、快楽に弱い奴だったのか。

時々わざと歯を当てられる。その度に強めの刺激に俺は腰を浮かせ、甘い吐息を漏らした。

あと少しでイきそう、というところで根本を強く握られる。サレは口を離し、いつも通りの嫌な笑みで俺を見つめてくる。

ああ、ほんとうに最低な奴だ。
俺に何を言わせるつもりだ。
エロ本のように、卑猥な単語を使わせるつもりだ。
しかし、サレが俺に求めたものは、愛の言葉だった。

「僕のこと、愛してるって言って。この世で一番愛してるって。」

まさかの寒い台詞に、目眩がした。初恋もまだな俺に何を言わせるんだ。明らかに俺の心に傷を残すような、そのエグい要求。
ここで、言うか!んな気持ち悪ぃこと!!って怒鳴れれば、まだ自分のことを許せそうだけど、あいにく根本に燻った快楽から耐える術を知らなかった。

「…あ、あいして、る」

「もっと感情を込めて」

恥を耐えて、何かから目を反らして、必死に言葉を紡いだのにも関わらず、まさかのtake2。
からかっているのか。嫌がらせか。違う。顔つきが真剣だ。目は相変わらず虚ろだけど、俺の言葉を聞き逃さないとばかり、こちらを見据えている。

ますます心の傷が深くなりそうだ。それでも快楽には勝てない。自分のイチモツを切り取りたい程だ。

「愛してる、サレ。」

「うん。もう一度。」

ペロリと裏筋を舐められる。ああ、やっとイカせて貰える。しかし、安堵したのも束の間。それ以降、また動きが止まる。

「サレ…」

「もう一度」

短くそう言われて、俺は意図を理解した。
じくじくと胸の傷が深くなっていく。

「あ、あいしてるっ」

ちゅぷっ。上唇と舌先が、亀頭を掠める。
目から涙が溢れた。自分の情けなさと、嫌悪と、快楽が一斉に合わさって、身体中を巡る。

「サレ、あいしてる 」










何度目か分からない愛の言葉で、俺は果てた。

呆然とベッドに横たわる俺は、屍のようだったと思う。

サレはしばらく、俺の隣に寄り添うように眠っていたが、急にガバッと起き上がり、俺に向かって死ねって暴言を吐いて去っていった。

なんだあいつ。
怒りはもう感じなかった。残ったのは疲労と嫌悪感。

サレがいなくなったのを確認すると、俺はフォルスの力で拘束具を外した。
ベッドに染み付いた血の量にびびりつつ、事後処理をこなしていく。


ふと、サレの食べかけの焼きサンドに目が止まった。具の中身はサラダ。…ん?待てよ。具のなかにあるこの山菜。食べていいものではない。そうか。食用のものと間違えて調理したのか。

ここでサレがラリっていた理由が分かった。
山菜とこの毒草を間違えたんだ。

いくら美味とはいえ、素人が気軽に摘んじゃいけないぜ、と少し笑いながらこの毒草の効能を思い出して固まった。

確か、これ。自白剤に使われる奴だ。
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