命遊び

□あいしかた
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「ティトレイ、ちょっと喘いでくれないか?」

「は?」

なぜサレが宿にいるんだと疑問を投げ掛ける隙もなく、ティトレイは後ろからサレに羽交い締めにされ、床に押し付けられる。
ぐえっと蛙の潰されたような声か喉から出て、その声を模したかのように潰れた蛙のような格好で固定される。
何で固定されているのかと手首を見ると、それは自分のフォルスの能力でもある樹のツルだった。
何故、自分で自分を縛り上げる、特殊性癖、いわゆる変態行為をしているのか。薄々と原因が分かったティトレイは直ぐ様、自分にのし掛かっているサレに声をかけた。

「今度は何だよ」

幾度となく邪魔しに来るサレ。はじめは真面目に、奇襲に真面目も不真面目もあったものではないが、真面目にヴェイグ達の邪魔をしに来ていた。
しかし、変装したり、跡をつけてきたりと、その行為は命令というより、個人的な執念に変わっていき、最終的に愛していると言われた。
何を言っているか分からないと思うがティトレイも何を言われたか分からなかった。
敵をマークしている内に愛着が沸き、仕舞いには想いが止まらなくなったと。そんな感情を最も鼻で笑いそうなサレが抱いてしまったらしい。
それにしても何故自分自身なのか。その前にお前ホモだったのか。基本、何でも素直に受け止めるティトレイだったが、こればかりは数日と悩まされた。
もちろん、サレの想いをティトレイは受け止める筈もなく、友達ならと差し出す手を跳ね退けられ、独特に歪んだアプローチを受け続ける羽目となる。

話は戻るが、ティトレイは自分の力で自分を押さえつけている。力を込めるがフォルスが言うことを聞かない。
サレはそんなティトレイの姿を満足そうに見つめ背中から隣にしゃがみ込んだ。ティトレイの視界からギリギリ見えない場所。

「内密にね。違法にフォルスの研究がされてたんだ。力を他人に移せないなら、他人が力を使えるようになればいいって。もちろん大失敗。出来たものは不完全なものだったけど」

目の前に歪な形をしたフォルスキューブが浮かび上がる。真っ黒で吸い込まれそうだ。

「時間にして約三時間。君にアプローチするには十分な時間だよね?」

アプローチ、その言葉に背中に嫌な汗がじわりと滲み出る。

「愛してるよティトレイ」

サレはティトレイの首筋に舌を這わせた。

ティトレイは生暖かい感触に身を奮わせながら、目の前にある歪な形のキューブを見ていた。
初めて見る筈なのにそれを見ているとどこか懐かしく、切なくなった。原理は分からないが自分を梗塞しているであろうそのキューブはユラユラ左右に揺れている。レンズのピントがずれたり、合ったりと不安定な状態で存在していた。お前は、いったい…どうして、そんなに寂しそうなんだ。

ズルッとズボンが脱がされ、ハッと我に帰った。
下着までずり落ち、腰を無理矢理浮かせられ、誰にも見せられないような場所が露にされている。

「待て、何をする気だ!!」

「アナルファック」

「アナっ」

持ち前の騒がしさをようやく取り返しつつもまた言葉が止まった。実に分かりやすく答えてくれてありがとう。男同士のセックスってどうやるの?って会話が見事に省かれスマートになった。

ぬるっとしたものが尻の割れ目をなぞりながら伝い、裏筋を濡らし、糸を引くようにして床に落ちる。ゆっくりと肛門を揉みほぐされ、ずぶ、と指を入れられる。
自分が風邪をひいた時でさえ、姉に座薬を突っ込まれるのを拒んで自分で入れたというのに、現状はどうだろうか。昔の自分が見たら、幻滅、或いは絶望するに違いない。

止めろと言っても止める筈もなく、サレは自分のものをゆっくりと挿入してきた。それなりの痛みと、嫌悪が同時にティトレイを襲う。

まじか。俺、レイプされている。

ぎこちなく動く腰使いに、もしかしてこいつ未経験かと思ったが、カマかけして、黙れ童貞と言われれば恥を掻くのはこちらなので、ティトレイは静かに動きを合わせていた。
旅をするに連れ、自分もそれなりに器が大きくなっと思うが、出来ればこのような状態で悟りたくはなかった。この状態で三時間。クレアがヴェイグと話をしたそうだったので気を効かせて二人きりにしてあげたのが裏目に出た。今ごろ二人は外で話し合っているだろうし、他の仲間はきっと爆睡中だ。
今日の戦闘はハードだったし、だからこそ疲れてティトレイもサレの気配に気付かなかった。

サレがおもむろにティトレイのイチモツに触れ優しくしごく。不意に来た甘い快楽にティトレイは足に力が入った。ゆっくりとなぞるようにして上下に動くその指先は、普段ガシガシ力強く擦るオナニーでは味わえない快楽だった。
くちゅ、くちゅと粘着質な音が部屋に響く。
親指で先を揉まれ、人差し指、中指と順番に指の腹で裏筋をなぞられていく。
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