命遊び
□シチュー
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「ティトレイ。何か甘いもの作りなよ」
「はい?」
皆の夕飯を作る際にサレが要求してきた。
てかその前に
「何でここにいるんだ?サレ。」
「いちゃダメ?」
「一応明日から俺たちはカレギア城に乗り込むとこなんだけど。」
「大丈夫。最上階の階段前で待ってるから。」
「ネタバレすんなよ!!」
「そんなことより。甘いもの甘いもの。」
「・・・・・・ほらよ」
俺は蜂蜜をサレに投げ付けた。
「わーい!て、甘っ!!甘過ぎるよ!!」
「甘いものって言ったろ」
「違う!違う!僕が求めているのは甘いものだけどこんな甘さではない!!」
「(めんどくせぇな・・・・・・)」
「ほら。透き通るような、少し触ったら壊れてしまいそうな繊細で脆くて、まるで壊れかけの時計が止まるか止まらないかの瀬戸際にいて、そして切ないような甘さだよ」
「文章が長い癖して一つも具体性がない注文を俺は初めてされたぞ。」
何が言いたいか分からない。分かったらもっと厄介なことになりそうなので
分かりたくない。
「甘いものー!!」
ぐいぐいエプロンを引っ張ってくるサレ。
鬱陶しい。
ハートマークをつけてやる。
鬱陶しい
「サレ。俺は今、何をやってるか分かるか?」
「白濁な半固形物を舌の上に絡み付かせている」
「気持ち悪ぃ言い方すんじゃねぇよ!!夕飯のシチューの味見をしてんだ!!」
「僕のシチューをお飲「キメェよ。」
「ごめん。言い直す。僕の搾りたてのミル「言い直す必要性が分かんねーよ。」
ダメだ。サレの相手をしてると疲れる。
HPがいくつあっても足りない。
「甘いものー!!」
本格的にウザくなってきた。
もう無視を出来る領域ではない。いや、始めから無視を出来る領域に入ってはいなかったけど。
「何が食べてぇんだ?」
「ティトレイ」
「はいはい。後でな」
「今すぐー!!」
要するに欲求不満なんですね。サレさん。
全く。めんどくせぇ奴だ。