歪な鎖

□紅茶
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これは、ティトレイがまだヴェイグ達に出会う
少し前


アガーデがミルハウストに思いを伝える
少し前


クレアが凍り付けにされた少し後の


お話









工場の町ペトナジャンカは今日も快晴。

そこに住むティトレイという青年は今日もまたその特徴の一部でもある大きな声を張り上げていた。

「工場長!原料運び終わったぜ!次の原料は・・・・・・、工場長?」

工場長室に入り込むとそこにはやけに沈んだ工場長がいた。

「ティトレイ・・・・・・いや、金が、税金が、潰れてな?代わりの、金が、若いのを、そして、最後に」

しどろもどろに喋りだす工場長

ティトレイは、ウンウンと頷きながら
掃除用具のバケツを持ち出し水を入れ

工場長の頭にぶっかけた。


「で、どうしたんだ?」

少しも悪ぶれずティトレイは工場長を問う。

「・・・・・・実はだな。国が税金を上げるように申し出てきたのだ。」

ハァッとため息をつく。

「また!?半年前に上げたばかりだろっ!?」

特に不況という波もなく、逆に町は賑わい世界的に品物の出回りが好いと聞くのだが
半年前に急に来た税金の値上げ令。

もちろん抗議はした。
しかし、繁盛していたのでそれほど金には困らないという意見が多数あったのと

国からのウザッたい半強制的な圧力のお陰で
俺たちはその税金の値上げを認めた。


圧力とは

国のお偉いさん達が
金は持ち過ぎると腐るやらいい環境にいると乱れて製品の劣化に繋がるやら

とにかく難しい単語を並べた演説と説明会を繰り返しやりにこのペトナジャンカに足を運んできたのだ。

要するに金がありあまってんなら国に寄越せと。


回りくどく演説なんかやらないで、要件のみを直球に言って欲しかった。

工場長と、職場代表で演説と説明を聞きに行った俺の時間を返せ。(ほぼ爆睡していたが。)



「ああ・・・・それが前回よりも倍の値段なんだ。」

「はぁ!?なんだよそれ!いくら何でもとり過ぎだろ!!」

「これに応じないと国からの援助は今後一切無し、だそうだ。」

その援助金にどれくらい俺等の税金が含まれてんだよ!

「くそっ!こうなったら、俺が直接王様んとこ行って抗議してやる!!・・・・・・ん?王様はもう死んだって話だな。
俺が直接女王様んとこ行って抗議してやる!!」






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