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□変化
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「じゃあいってきまーす」
教室に入っていくふたり。
いってらっしゃーい、と送るミキ。
ミキは多分・・・私がこんな感情もってるなんて知らないんだろなあ・・・ドアの鍵は後ろにだけある。
だから私たちは前のドアまで移動した。
事に及ぶのは後ろのほうなので声までは聞こえないはず
放課後の先生も職員室にひとりふたりしかいない静けさの漂う校舎でふたりっきり。
「ねえミキ」
「何?」
「飛岡さんと柚井さんといっしょにしたってことはさ・・・
ミキは・・・男には興味ないかんじ??」
「無いことはないけどー女のほうがいいかなあって感じ。」
まるきり興味ないってことではないのか。
それを境に話は途絶えた。
と
ガタン
と物音。始まったのかも?!
でもひとが近くにいるのによく出来るよなあ・・・
「始まったんちゃう」
「だよね」
「女同士ってどうやってするんだろね」
ぽつり と何気なくその言葉が飛び出た。
はっ!私とんでもないことを!
ミキも絶対びっくりしてー・・・なかった。
「えーどうって・・別に普通にやん」
「でもさー・・・」
ミキがにやっと笑う。
そして、横並びに座ってたのに立って、前に来た。
正面で見つめられて少しどきっとする。
そして――
「じゃあ、してみる?」
ガバッと教室の壁に押されながら抱きつかれた。
え?嘘でしょ?!
「ちょちょちょっミキ!」
ミキは抱きついたまま。
冗談でもいまの私にはきついって!
はわわわわ・・・と顔が熱くなるのが分かる。
そろそろ心臓がヤバイころに、ミキは
ふっ
と軽く笑って離した。
「冗談やて、まあそのうち分かるようになるわ」
その時の笑顔は,いじわるそうだけどとんでもなくかっこよかった。