short

□光
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「ミキ」

「どうしたん?」
「雨降ってる・・・よね」

「うん」
「音がする」



音がする、か

「そっか」
「うん」

「ねえミキ」
「ん?」

真っ白なベットの上で並んで座っていた
自分に日代梨が
抱きついてきた。

体が震えている。寒くないのに

「・・・こわい」

「大丈夫、大丈夫やから」

強く抱き返すことしかできなくて

「ずっと・・・真っ暗で・・・何も・・・なくて」

「ミキがいなくなっちゃいそうで・・・・そこにいるのか」

「不安で・・・こわい・・・・」

日代梨の
光を失った目からは
それでも涙が流れる

「ミキはずっとここにおるから、大丈夫」

もう日代梨の目に
自分が移ることはなくても

「ミキがずっとおって、いっぱい、いっぱい」

「日代梨のこと見といたるから・・・・」

だから泣かないで

お願いやから
 

「ありがとう・・・」


ミキが日代梨の
光になれるように

真っ黒な世界の光になれるように

頑張るから






神様どうして日代梨を選んだんですか?

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