拍手ありがとうございます!
これからも(すこしづつ(笑))頑張ります。

お礼文は阿部→ミハ


 ◇ ◇ ◇


「だからね?、投手と捕手とは一体感こそ大事だと思うの。
投手に尽くすのも、信頼を返されるのも大事でしょう。
けどね、そこに遠慮や距離感が介在するのはどうなのかしら」

「男女の中なんて寝てみないとわからないよ。バッテリーだってそう。表面的な付き合いだけじゃあ、人間性の中身なんて空っぽだ。
そこに愛はあるかい?」




うっふっふー、と笑い、訳の分からん理屈を述べるモモカンとシガポの言い様に今更ながら憤りが湧く阿部。

「出せー!出せー!」
(好き勝手な事ばかり言いやがって!)
信頼がどうとかじゃねーだろ!?
バンバンッと扉を叩く。

和室の隅でビクビクとビクつく三橋。

「「ではねー」」
去って行く、どこか楽しげな二人の大人。

そう、俺達は今、合宿所の一室に二人して閉じ込められているのだ。


━━インターミッション━━


ガンガンッと扉を叩いても開きやしない事を確認して、俺はドッカと床に座る。

(…!!ラッキーだ!)

「…そんな隅っこ座ってねーで、こっち座れよ三橋」
(ラッキーだ!俺はついている!!)
三橋に分からないようにぐっとガッツポーズをする。

この合宿中、どうやって三橋と2人っきりになれるかずっと考えていた。
そう、こんな状況こそ俺がずっと待ち望んでいたもので。

ニヤリと笑う阿部。

『男女の間は寝てみないとわかんないじゃないか』

━━…望む所だシガポ!!

(俺が三橋に抱くのは、信頼でも何でもねぇ、愛だ!)
今更な事を言われて憤慨しちまったが、こんなおいしい状況を作ってくれた事には感謝する。


(三橋が俺を怖がってる…?)
んな事わかってる。
けど笑ってくれたんだ。それに…
(嫌われてないのは、確かだし)
上等…意識されてるって事だろう? 他の奴らと一緒じゃない。

俺は三橋の、『特別』だ。




(阿部くん…どうした のかな? い つもと、違う…)
阿部の台詞にオドオドと近寄り、ストンと腰を下ろす三橋。

逆らうと、怖い。

(怖い、嫌われる、のが。
だってオレは阿部くん を、イライラ、させてばかりいるから)

嫌われたく ない。
ドキドキするけど…

(阿部くんと、話すの は、好き…だな)

ビクビクとこっちの様子を上目で窺う様が、子リスのように愛らしく見える。

(〜〜〜っ!なんつー顔…してんの)
頬を染め、ゴクリと喉を鳴らす阿部。

(右手は傷つけねぇ。
抵抗されたら体力を消耗させちまうから、先ずは自由を奪うか?)
「━…三橋、こっち」
ごくっと唾を飲み込み、俺はチラッと合宿中に用意されたタオルの紐を目で捉えながら、純真無垢な三橋を誘う。

「…来い、よ」

優しく言う俺に、ぱっと顔を輝かせる三橋。



(さて━…)



夜は、これからだ。





〈終〉
 


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